駆け巡る青春

 ワタクシはつくづく幸せな芸人であるなぁと思います。学生の頃、よく通っていた演芸場の舞台に立つ事が出来て、沢山の大好きな寄席芸人さんとも色んな形で共演する事が実現しました。楽屋でお話を伺ったり、飲み屋で御馳走になっていたりするのが、ふと不思議に思う事もしばしばです。私の夢は叶ったも同然です。毎日が本当に楽しいです。
・・・ところがです。自分という男は欲深いもので、そうなると次なる欲求がフツフツと湧いてきたのであります。
「やっぱりチョコットでいいからブレイクしてみたい」
思えば私は昔、ちょっと廃れぎみの浅草が格好良く見えて、それから通うようになり、「昼間にお客の少ない演芸場で喋って、お酒を何処かで少し飲んで帰る」というスタイルに強く憧れていたものでした。テレビで売れたいという気持ちは殆どありませんでした。でも、やっぱり心の何処かで華やかなステージへの憧れもあったのですね。そんな私に9月中旬の某日、ついに1つのチャンスが与えられる事になりました。
NHK新人演芸大賞・演芸部門予選会出場!!
私にとって、これは相当エライコッチャな事態であります。本選に出られるのは数多いエントリーの中からほんの一握りだけ。しかも、この予選にエントリーしている芸人さん達、名前は書けませんがテレビに出まくっている人がズラリ並んでおります!!その中で私が勝ち残る可能性は0、0000000001%くらいだと思います。でも、可能性ある限りは!!
超豪華エントリーの中で、オイラは何をすべきか。じつは秘策を思いついております。名付けて「浅草でお客が10人以下の時の弦ちゃんスペシャル」
やってやるぜ、オイラ。どうか皆様も健闘をお祈りして下さいませ。